感情のコントロール

 聖書は、私たちの行動を左右するのは私たちの思考だと教えています。注目すべきは、肉の思い(思考)そのものが死であるという点です。私たちの思考が感情や五感によって大きな影響を受け続けると、その思考は肉の思いになります。

 ローマ 8:6「肉の思いは死ですが、御霊の思いは命と平安です。」

 聖書は、自分の古い人はキリストと共に十字架につけられたと教えており、新しい人として、キリストについて行く事を教えています。

 マルコ 8:34「それから、群衆を弟子たちと一緒に呼び寄せて、彼らに言われた。『誰でも私に従って来たければ、自分を捨て、自分の十字架を負って、私に従って来なさい。』」

 自分の古い人を捨てるとは、キリストと共に葬られた古い人に戻らないようにという事です。霊的に、私たちは新しい人となりましたが、古い考えをまだ持っているので、古い、肉の思いで歩む事は可能なのです。そうした肉の弱さを人間的な努力で、取り除こうとしても、それは長く続くものではありません。

 ガラテヤ 2:20「もはや私が生きているのではなく、キリストが私の内に生きておられるのです。今私が肉において生きているいのちは、私を愛し、私の為にご自分を与えて下さった、神の御子に対する信仰によるのです。」

 勝利あるクリスチャン生活の秘密は、自己啓発にあるのではなく、古い人(古いアイデンティティー)が死んで、新しい人になっている事を信じ、新しい人として歩み始める事にあります。生まれ変わったクリスチャンには、新しい人が創造されている為、新しい歩みができるのです。

 第2コリント 5:17「ですから、誰でもキリストの内にあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、全てが新しくなりました。」

 古い人はもう存在しませんが、古い考えが残っている為、古い人の生き方を思い出す事はできます。その肉の思いが、ある意味、古い人を蘇らせてしまうのです。私たちは、古い人を脱ぎ捨て、新しい人を身に着る必要があります。そうすれば、感情的に動かされてしまう事がなくなります。新しい人にあって歩む事が、感情をコントロールする秘訣です。キリストによって新しく生まれ変わった霊は、霊的な思考、キリストの考え方に基づいて行動するので、常に平安があります。

 人が感情的になる場合、それは肉の思いが原因です。御言葉に反する考えを捨てきれないのは、感情が絡まっているからです。その感情は、大抵の場合、恐れです。あなたが大きな不安を感じているなら、あなたは肉的になっています。

 第2テモテ 1:7「神は私たちに、臆病の霊ではなく、力と愛と慎みの霊を与えて下さいました。」 

 私たちは、神に不安を取り除くようにと頼む必要はありません。肉の思考を一新させ、御霊の思考で歩むだけで、感情のコントロールができるようになります。それが難しいようなケースがあるのは、つまらない考えにこだわるからです。ですから、そうした肉の思いを捨て、御霊の思いに切り替える必要があります。それは、聖書の御言葉によって私たちの考えを一新するという事です。

 ローマ 12:2「この世と調子を合わせてはいけません。むしろ、心を新たにする事で、自分を変えて頂きなさい。そうすれば、神の御心は何か、すなわち、何が良い事で、神に喜ばれ、完全であるのかを見分けるようになります。」

 「心を新たにする」の部分をギリシャ語の聖書で見ると、「思考の一新」と書かれています。これは、肉的な思考から霊的な思考に変えるという事を意味しています。そうするには、私たちは御言葉の真理を蓄えておく必要があります。それが霊的な思考だからです。真理の言葉を蓄えて、全ての判断をそれに沿って行うなら、あらゆるネガティブな考えや感情に影響されずに済みます。又、これらが私たちの考えの中に入ってくる時に、御言葉を使って追い出す事もできます。このプロセスが思考の一新というもので、これが感情をコントロールする、究極の秘訣なのです。